病棟や訪問看護での経験をもとにした、小さな物語を絵本形式でまとめています。
正解を教えるための絵本ではありません。
利用者さんとの出会い。
看護師としての迷い。
働き方について考えたこと。
物語を通して、自分自身の看護観や大切にしたい方向について考えるきっかけになれば嬉しく思います。
地図ではなく、コンパス。
答えを探すのではなく、自分らしい方向を見つけるための絵本体験です。
コンパスの中で、
実際に向きを示しているのが「磁針」です。
磁針は、北を探しながら、静かに揺れ続けています。
もしかすると、看護師にとっての磁針も、
自分自身なのかもしれません。
磁針は、いつも真っ直ぐではありません。
近くに磁石があると、
向きが変わることがあります。
人も同じように、周りの言葉や環境で、
自分の向きが分からなくなることがあります。
私は、自分の磁針ばかり見ていました。
でも、利用者さんにも、家族にも、同僚にも、
それぞれのコンパスがありました。
向かう方向が違うのは、
間違っているからではなく、北が違うからかもしれません。
コンパスは、北を探します。
でも、人には決まった北がありません。
家族、仕事、暮らし。
大切にしたいものは、人それぞれです。
だから、同じ方向を向かなくてもいいのです。
私は昔、正しい地図を探していました。
どの道を進めばいいのか、知りたかったのです。
でも、利用者さんと出会い、
一つの地図では足りないことを知りました。
人によって、北が違うからです。
だから必要なのは、地図ではなく、
自分の北を探すためのコンパスでした。