「ちゃんとしなきゃ」が苦しくなっていた

不安障がいと睡眠障がいに悩まされている利用者さんでした。

 

朝、目が覚めた瞬間から、

 

「今夜は眠れるかな…」

 

という不安が始まる。

 

そんな毎日を過ごされていました。

 

「寝ている間だけが、何も考えなくて済むから楽なんです」

 

そう話されることもありました。

 

関わる中で見えてきたのは、

 

“不安”

 

だけではなく、

 

“ちゃんと生活しなきゃ”

 

という思いでした。

 

 


きちんと生活しようとしていた

その方は、毎食後の内服をきちんと続けようとされていました。

 

そのため、

 

・食事を準備する

・決まった時間に食べる

・薬を飲む

 

という生活を、丁寧に続けようとされていました。

 

ですが徐々に、

 

・食事準備がおっくうになる

・動くことが減る

・薬を飲むこともしんどくなる

 

という状態になっていきました。

 

すると今度は、

 

「薬を飲めなかったらどうしよう」

「眠れなかったらどうしよう」

 

という不安がさらに強くなっていきました。

 

仕事をしていた頃の生活を続けようとしていた

しばらく関わる中で気づいたのは、

 

その方が、

 

“働いていた頃の生活リズム”

 

を保とうとしていることでした。

 

・朝はこの時間

・食事は3回

・夜はこの時間に寝る

・きちんと生活する

 

それ自体は、とても真面目で丁寧な生き方だったのだと思います。

 

ですが、

 

今の身体や生活状況とは、少しずつ合わなくなっていました。

 

すると、

 

「できない自分」

 

を毎日確認するような生活になっていたのかもしれません。

 

生活を、「今」に合わせ直していった

そこで、

 

・食事回数を無理なく続けられる形へ

・主治医へ相談し、内服を毎食後から朝夕へ変更

・起床時間や就寝時間へ少し余白を作る

・環境を整える

 

など、

 

“今の暮らし”

 

へ合わせ直していきました。

 

すると次第に、

 

今の生活リズムの中で内服ができるようになり、

 

睡眠も少しずつ改善していきました。

 

何より、

 

「ちゃんとしなきゃ」

 

という苦しさが、少し和らいでいったように感じました。

 

不安をなくすことは難しい

生きていると、

不安を完全になくすことは難しいのだと思います。

特に、

・老い
・身体の変化
・眠れないこと
・将来への不安

は、簡単に消えるものではありません。

ですが、

その都度、

「今の生活に合う形は何だろう」

と一緒に考えていくことで、

 

少しずつ苦しさが軽くなることがあります。

 

一緒に向き合ってくれる人がいること

「また不安になったらどうしよう」

 

という気持ちは、すぐには消えませんでした。

 

それでも、

 

“困った時に、一緒に考えてくれる人がいる”

 

という安心感が、その方を少し支えていたように感じました。

 

訪問看護では、

 

問題を解決するだけではなく、

 

“その人と一緒に暮らしを考えていく”

 

ことも大切なのだと思います。

 

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在宅療養では、「正しい生活」を続けることよりも、“今の自分に合う暮らし”を一緒に探していくことが、大切になることがあります。

今回の関わりは、「ちゃんとしなきゃ」という苦しさについて、改めて考えさせていただいた出来事でした。