不安が一つだけになると苦しくなる

不安障害により、抗不安薬を内服されている利用者さんでした。

 

頓服薬も使用されていましたが、

 

「効かなかったらどうしよう」

「また不安になったらどうしよう」

 

と、薬を飲んだ後も不安が続いていました。

 

薬剤調整だけではコントロールが難しい状況でした。

 

そんな中、ある日の訪問で、不思議な変化に気づく出来事がありました。

 


その日は、少し落ち着いていた

その日の訪問では、いつもより少し穏やかな様子でした。

 

話をしている中で、

 

「明日、ゴミ出しの日なの」

「来週にしようか悩んでいて」

 

と話されていました。

 

結果として、その方は翌日にゴミ出しをされたそうです。

 

その時は、特別大きな意味を感じていたわけではありませんでした。

 

ですが、次の訪問では、再びいつもの強い不安が前面に出ていました。

 

不安を全部なくせば良い、わけではなかった

その時に感じたのは、

 

“不安要素を全部取り除けば、落ち着く”

 

とは限らない、ということでした。

 

強い不安だけがある状態では、

 

人はその不安へ強く意識が向いてしまうことがあります。

 

ですが、

 

「ゴミ出しをどうしよう」

 

というような、小さな生活上の悩みがあることで、

 

“大もとの不安”

 

から、少し意識を離すことができていたのかもしれません。

 

一見すると、あべこべのようにも感じました。

 

ですが実際には、

 

“小さな不安”

 

が、不安との距離を作っていたように見えました。

 

「不安を減らす」だけではなかった

支援を考える時、

 

・不安を減らす

・負担を軽くする

・ストレスをなくす

 

ことを考える場面は多くあります。

 

もちろん、それはとても大切なことです。

 

ですが今回のケースでは、

 

“生活の中の小さな課題”

 

があることで、

 

不安との向き合い方が変わっていました。

 

不安で何も手につかなくなることもありましたが、

 

あえて小さなタスクを持つことで、

 

気持ちが生活へ向き直る場面があったのです。

 

生活の中に、不安との距離を作っていく

不安を完全になくそうとすると、

 

逆に、

 

「不安がないか」

 

ばかりを確認してしまうことがあります。

 

ですが、

 

・ゴミ出し

・洗濯

・買い物

・ちょっとした予定

 

など、

 

生活の中の小さな動きがあることで、

 

不安だけへ集中し続けずに済むことがあります。

 

もちろん、全ての方に当てはまるわけではありません。

 

それでも、

 

「不安を減らす」

 

だけではなく、

 

“生活の中へ意識を戻していく”

 

という関わりもあるのだと、現場で感じた出来事でした。

 

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在宅療養では、「不安をなくすこと」だけが支援ではないのかもしれません。

生活の中に小さな役割や動きがあることで、不安との距離が少し変わることを、現場で教えていただいた出来事でした。