「電話してもいい」が安心になった

「救急要請が多くて困っていて…」

 

地域包括支援センターから、そのような相談を受けた利用者さんでした。

 

呼吸器疾患や循環器疾患があり、独居生活による不安も強く見られていました。

 

相談内容は、

 

「救急要請を減らすために、訪問看護でオンコール対応してもらえないか」

 

というものでした。

 

関わる中で見えてきたのは、

 

“電話を減らす”

 

ことより、

 

“不安とどう向き合うか”

 

の大切さでした。

 


救急要請は減った。でも不安は続いていた

訪問看護が介入してから、救急要請は見られなくなっていきました。

 

ですがその一方で、

 

オンコールへの電話は、しばらく頻回に続いていました。

 

・息苦しい気がする

・また悪くなるのではないか

・このまま眠って大丈夫だろうか

 

身体症状への不安が強く、

 

「電話してしまってすみません」

 

と話されることもありました。

 

「電話してはいけない」が、不安を強くしていた

関わる中で感じたのは、

 

“電話をかけてはいけない”

 

と思うほど、不安が強くなっていることでした。

 

人は、

 

「迷惑をかけてはいけない」

 

と思えば思うほど、

 

・我慢する

・一人で抱え込む

・症状へ意識が集中する

 

ことがあります。

 

すると、

 

「また悪くなったらどうしよう」

 

という不安が、さらに大きくなっていきます。

 

「電話してもいい」という安心感

そこで私たちは、

 

「困った時は電話してください」

「一緒に考えていきましょう」

 

という姿勢を、繰り返しお伝えしていきました。

 

すると少しずつ、

 

“電話できる安心感”

 

が、その方を支えていったように感じました。

 

不思議なことに、

 

「電話してもいい」

 

と思えるようになってから、結果としてオンコール回数は減っていきました。

 

オンコールを減らすことが目的ではなかった

支援する側としては、

 

・電話回数

・救急要請回数

・オンコール頻度

 

が気になる場面もあります。

 

ですが今回のケースでは、

 

“オンコールを減らす”

 

ことを目的にするより、

 

“不安を減らす”

 

ことを大切にしたことで、見える景色が変わっていきました。

 

その方は、

 

「一人で抱え込まなくていい」

 

と思えることで、少しずつ安心感を持てるようになっていったのかもしれません。

 

一緒に向き合ってくれる人がいること

不安を完全になくすことは難しいのだと思います。

 

特に、

 

・身体の不調

・独居生活

・将来への不安

 

は、簡単には消えません。

 

それでも、

 

「困った時に、一緒に考えてくれる人がいる」

 

ということが、安心へ繋がることがあります。

 

訪問看護では、

 

症状だけではなく、

 

“不安を抱えながら生活している人”

 

そのものへ関わっていくことも、大切なのだと思います。

 

関連ページ

不安が一つだけになると苦しくなる

「ちゃんとしなきゃ」が苦しくなっていた

 ・精神的な不安が強い方への支援

 ・夜間不安が強い時

 ・在宅療養のお困りごと

 

 

在宅療養では、「不安をなくすこと」だけでなく、「一人で抱え込まなくていい」と感じられることが、安心へ繋がることがあります。

今回の関わりは、“電話できる安心感”について、改めて考えさせていただいた出来事でした。

 

今回の関わりは、「ちゃんとしなきゃ」という苦しさについて、改めて考えさせていただいた出来事でした。