服薬カレンダーをやめた理由

「最近、薬が飲めなくなってきているので、管理をお願いしたいです」

 

ケアマネジャーさんから、そのような相談を受けることがあります。

 

今回は、

 

・内服回数を減らす

・朝夕へ変更する

 

といった処方調整のお話ではありません。

 

服薬管理を“しやすくした”はずなのに、逆に飲めなくなっていった。

 

そんな現場で感じたことについてのお話です。

 


服薬カレンダー導入で、最初はうまくいっていた

その利用者さんは、もともと薬袋とヒート管理で内服をされていました。

 

ですが、

 

・飲み忘れ

・重複内服

・飲み間違い

 

などが見られるようになっていました。

 

そこで、

 

・一包化

・服薬カレンダー導入

 

を行いました。

 

すると当初は、内服率も改善し、

 

「これで安定していきそうですね」

 

と、ご家族も安心されていました。

 

私たちも、少しホッとしていました。

 

徐々に、飲めなくなっていった

ですが、時間が経つにつれ、徐々に内服率が低下していきました。

 

最初は、

 

・認知機能低下

・注意力低下

・意欲低下

 

なども考えました。

 

しかし、関わる中で少し違うことに気づきました。

 

それは、

 

“薬に意識が向かなくなっていた”

 

ということでした。

 

管理しやすさと、本人の意識は違っていた

もともとのヒート管理では、

 

・薬を手に取る

・確認する

・開ける

 

という行動がありました。

 

つまり、

 

“自分で薬を管理している感覚”

 

が残っていました。

 

ですが、

 

・一包化

・服薬カレンダー管理

 

へ変わったことで、

 

「管理されるもの」

 

になっていたのかもしれません。

 

私たち支援者側から見ると、服薬カレンダーは非常に管理しやすい方法です。

 

ですが、

 

“支援者が管理しやすい方法”

 

と、

 

“本人が意識しやすい方法”

 

は、必ずしも同じではありませんでした。

 

薬袋管理へ戻した時

その後、

 

・服薬カレンダーをやめる

・薬袋管理へ戻す

・一包化には曜日印字を入れる

 

という形へ変更しました。

 

すると、再び内服率が上がっていきました。

 

もちろん、完全に問題がなくなったわけではありません。

 

それでも、

 

「自分で確認する」

「自分で飲む」

 

という意識が戻ったことで、結果として内服へ繋がっていったように感じました。

 

在宅療養では、「管理する」だけではうまくいかないことがある

在宅療養では、

 

「安全に管理すること」

 

はとても大切です。

 

ですが一方で、

 

・本人がどう認識しているか

・どこまで主体的に関われるか

・どんな方法なら意識しやすいか

 

も同じくらい大切なのだと思います。

 

支援する側が、

 

「これが一番管理しやすい」

 

と思っていても、

 

本人にとっては、

 

「自分で関わりにくい方法」

 

になっていることがあります。

 

在宅療養では、

 

“正しい管理”

 

だけではなく、

 

“その人に合った関わり”

 

を探し続けることも必要なのだと思います。

 

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在宅療養では、「管理しやすさ」が、そのまま本人の生活のしやすさになるとは限りません。
その人が、どうすれば自然に関われるのか。
現場で考え続けることの大切さを感じた出来事でした。