「週4回は飲めているのですね」

「最近、薬が飲めなくなってきているんです」

 

ご家族からケアマネジャーへ相談があり、訪問することになったケースがありました。

 

今回は、服薬管理の方法そのものについてのお話ではありません。

 

認知症が進行していく中で、

 

「できないこと」

 

に目が向き続けることで、本人もつらくなり、ご家族も“管理する側”になっていく。

 

その中で、少しだけ見方が変わった出来事でした。

 


「週3回も飲めていない」

その利用者さんは、1日1回の内服がありました。

 

ご家族は、

 

「週に3回も飲めてないんです」

 

と、とても険しい表情で話されていました。

 

実際、飲めない日があることは事実でした。

 

認知症では、

 

・飲んだことを忘れてしまう

・薬そのものを嫌がる

・必要性を理解しづらくなる

 

こともあります。

 

ご家族としては、

 

「ちゃんと飲ませなきゃ」

 

という気持ちが強くなっていきます。

 

ですがその一方で、

 

本人は、

 

「また言われる」

「できていない」

 

という空気を感じ取り、少しずつ表情が硬くなっているようにも見えました。

 

「週4回は飲めているのですね」

その時、私は、

 

「週4回は飲めているのですね」

 

とお伝えしました。

 

すると、ご本人が少し笑われ、ご家族も驚いたような表情をされていました。

 

もちろん、

 

“飲めなくて良い”

 

という意味ではありません。

 

ただ、

 

「できていないこと」

 

だけを見続けると、

 

本人も家族も苦しくなっていくことがあります。

 

実際には、

 

“週4回は飲めている”

 

という事実も、同じように存在していました。

 

劇的に変わったわけではない

その後、ドラマのように毎日きちんと飲めるようになったわけではありません。

 

飲める日もあれば、飲めない日もあります。

 

それでも、以前より、

 

「できていること」

 

に目を向けられる場面が少しずつ増えていきました。

 

すると、

 

・責める空気

・管理する空気

・できていないことばかりを見る空気

 

が、少し和らいでいったように感じました。

 

在宅療養は、「できている」を支える場所でもある

在宅療養では、

 

「できなくなったこと」

 

にどうしても目が向きやすくなります。

 

ですが、

 

・まだ歩けている

・まだ話せている

・まだ笑えている

・まだ飲めている

 

そうした、

 

“残っている力”

 

も確かに存在しています。

 

もちろん、課題へ向き合うことも必要です。

 

ただ、

 

「できていない」

 

だけで関わり続けると、本人も家族も疲れてしまうことがあります。

 

だからこそ、

 

「できていることにも目を向ける」

 

ことが、在宅療養を続けていく上で大切なのかもしれません。

 

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在宅療養では、「できなくなったこと」に目が向きやすくなります。

それでも、「まだできていること」を一緒に見つけていくことが、本人と家族の生活を支える力になるのかもしれません。