「リハビリしましょう」では動けなかった

リハビリ介入が必要であっても、

 

「リハビリはしたくない」

「なんでお金払ってまで、しんどいことをしなきゃいけないの?」

 

と言われることがあります。

 

実際、その言葉はとても自然なものだと思います。

 

身体機能を維持したい。

転倒を防ぎたい。

ADL低下を予防したい。

 

支援者側には、さまざまな“必要性”があります。

 

しかし、その必要性だけでは、人は動けないことがあります。

 

在宅療養の現場で感じるのは、「何をするか」だけでなく、「どう関わるか」がとても大切だということです。

 


「やらされるリハビリ」になっていた

介護保険サービスでは、サービス計画や目標設定が必要になります。

 

そのため、

 

・歩行練習

・筋力訓練

・転倒予防

 

など、“やるべきこと”が明確になりやすい一方で、

 

利用者さん側には、

 

「やらされている」

 

という感覚が生まれることがあります。

 

実際、

 

「マッサージしてくれるなら分かるけど、なんでお金払ってまでリハビリしないといけないの?」

 

と言われたこともありました。

 

その言葉を聞いた時、こちら側は「必要だから」と考えていても、ご本人の中では納得できていなかったのかもしれないと感じました。

 

「やりますか?」では、Noが出てくる

当初は、

 

「リハビリしましょう」

「歩きましょう」

 

と声をかけていました。

 

ですが、その関わりでは、断られることも少なくありませんでした。

 

今振り返ると、

 

「やるか、やらないか」

 

を相手に委ねていたように思います。

 

そうすると、当然“No”という選択肢が出てきます。

 

そこで関わり方を少し変え、

 

「外で歩行練習をしますか?

それとも室内でストレッチ体操をしますか?」

 

という形でお聞きするようになりました。

 

すると、不思議と、

 

「じゃあ今日は室内で」

 

と、自分で選んで取り組まれる場面が増えていきました。

 

人は、自分で選んだことには取り組みやすい

これは、特別な心理テクニックではありません。

 

ただ、人は、

 

「自分で選んだ」

 

と感じられることには、取り組みやすくなるのだと思います。

 

逆に、

 

「やらされている」

 

と感じると、どれだけ必要性を説明されても、動きづらくなることがあります。

 

在宅療養では、

 

・何が必要か

・何を維持したいか

 

も大切ですが、

 

「その人がどう感じているか」

 

も同じくらい大切なのだと思います。

 

リハビリを“生活”に戻していく

リハビリという言葉を使うと、

 

「頑張るもの」

「しんどいもの」

 

という印象を持たれることがあります。

 

ですが本来は、

 

・立ち上がる

・歩く

・トイレへ行く

・外へ出る

 

など、「生活を続けるための動き」でもあります。

 

だからこそ、

 

「リハビリをする」

 

ではなく、

 

「どうしたら、その人が生活の中で自然に身体を使えるか」

 

を考えていくことが大切なのかもしれません。

 

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その人が、自分で選び、自分で決められる関わりの大切さを、現場の中で教えていただいた出来事でした。