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磁石は、自釈だった - 方意自釈 -

「コンパス」を考え続けているうちに、あることに気付きました。

 

方位磁石は、磁石があるから磁針が向きを変えます。

 

だから私はずっと、

 

「磁石とは何だろう。」

 

と考えていました。

 

利用者さんなのか。

 

家族なのか。

 

職場なのか。

 

経験なのか。

 

そんなことを考えていたある日、ふと気付きました。

 

磁石。

 

じしゃく。

 

自釈

 

自分の解釈ではないか、と。

 

同じ出来事でも、人によって受け取り方は違います。

 

病気になったことを、「人生の終わり」と受け取る人もいれば、「新しい生き方の始まり」と受け取る人もいます。

 

退職を「失敗」と感じる人もいれば、「新しい挑戦」と感じる人もいます。

 

出来事そのものが人を動かしているのではありません。

 

その出来事を、どう解釈したか。

 

その「自釈」が、私たちの磁石になっているのです。

 

だから、同じ景色を見ても、人によって進む方向が違います。

 

私は以前、人は他人の言葉に振り回されるものだと思っていました。

 

でも、よく考えると少し違いました。

 

他人の言葉そのものではなく、

 

その言葉をどう受け止めたのか。

 

つまり、自分の自釈が磁石になっていたのです。

 

だから、他人の言葉に引っ張られているように感じても、本当に磁針を動かしているのは、自分の解釈なのかもしれません。

 

そして、もう一つ気付きました。

 

利用者さんも。

 

ご家族も。

 

同僚も。

 

それぞれ、自分だけの磁石を持っています。

 

つまり、それぞれが、自分だけの「自釈」を持って生きています。

 

だから、向かう方向が違うのです。

 

どちらが正しい、間違っているではありません。

 

それぞれの人生を歩んできたからこそ、生まれた磁石なのです。

 

看護師は、その磁石を取り替える人ではありません。

 

その人が、どんな自釈を大切にしているのかを理解しようとする人なのだと思います。

 

コンパスは、北を教えてくれる道具です。

 

でも、人の北は一つではありません。

 

だから私は、こんな言葉を思いつきました。

 

方意自釈(ほういじしゃく)

 

向かう方位は、

 

自分の解釈によって決まる。

 

この言葉は辞書にはありません。

 

けれど、私にとっては、訪問看護という仕事を続ける中で見つけた、小さなコンパスの言葉になりました。

 

 

 

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