訪問看護では、緊急時の連絡先として電話番号をお伝えしています。
以前はメールを使うこともありました。
最近は、利用者さんやご家族とLINEを交換する機会が増えています。
理由の一つは、写真を共有できることです。
皮膚トラブルや浮腫、傷の状態などは、言葉だけでは伝わりにくいことがあります。
写真があることで状況を把握しやすくなり、必要な対応につなげやすくなります。
もう一つの理由は、「電話をするほどではないこと」を伝えられることです。
在宅療養では、
「少し気になる」
という出来事がたくさんあります。
食事量が少なかった。
少し元気がない気がする。
夜に眠れなかった。
薬を飲み忘れてしまった。
今すぐ電話をするほどではない。
けれど、誰かに伝えておきたい。
そんな時にLINEはちょうど良い距離感を作ってくれます。
点と点をつなぐLINE
訪問看護は週に1回や2回の訪問だけで成り立っているわけではありません。
実際の生活は、その間も続いています。
訪問の日には元気そうに見えても、
数日前には食欲が落ちていたかもしれません。
訪問の日には落ち着いていても、
前日は不安が強かったかもしれません。
LINEには、そうした日々の出来事が残ります。
後から見返してみると、
「この頃から食事量が減っていた」
「この頃から外出が減っていた」
「この頃から不安が強くなっていた」
という変化が見えてくることがあります。
訪問と訪問の間にある生活。
その点と点をつなぐ役割をLINEが担ってくれているのです。
言葉にすることで整理される
私はもう一つ、大切な役割があると感じています。
それは、言葉にすることです。
不安な時、人は頭の中で同じことを何度も考え続けます。
けれど、それを文章にすると少し変化が起こります。
「何が心配なのか」
「何が起きているのか」
「何が気になっているのか」
を整理しながら書くことになるからです。
書き終えた時には、
少し気持ちが落ち着いていることもあります。
これは利用者さんやご家族だけではありません。
私たち訪問看護師も同じです。
文章として残ることで状況を整理しやすくなり、次の支援につなげやすくなります。
不安とのあいだに引く一本のLINE
そして私は、LINEにはもう一つの役割があると思っています。
それは、不安とのあいだに境界線を引くことです。
不安が強くなると、
人は不安そのものに飲み込まれてしまいます。
頭の中が不安でいっぱいになり、
何度も同じことを考えてしまいます。
そんな時、
「とりあえずLINEに書いておこう」
と思えることがあります。
不安を言葉にして外へ出す。
訪問看護に預ける。
すると、自分と不安との間に少し距離が生まれます。
不安が消えるわけではありません。
けれど、一人で抱え込む状態からは離れることができます。
私はその時、
不安と自分との間に一本の線が引かれているように感じます。
それは通信アプリのLINEであり、
同時に境界線としてのlineでもあります。
おわりに
訪問看護にとってLINEは単なる連絡手段ではありません。
利用者さんと訪問看護をつなぐLINE。
日々の出来事をつなぐLINE。
思考を整理するLINE。
そして、
不安とのあいだに引く一本のLINE。
在宅療養では、問題がなくなるわけではありません。
それでも、誰かとつながっていることで乗り越えられることがあります。
その小さなつながりを支えているのが、私たちのスマートフォンの中にある一本のLINEなのかもしれません。
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